【五色ヶ原・薬師岳】折立から太郎兵衛平を経て、薬師峠へ
おひさしぶりです。
ステイホーム(stay safe)に在宅勤務等々、生活が一変して、これは今まで惰性でやっていただけで実は必要なことでは無かったなぁ、とか。
自分の生活を見つめ直し、今の世界のなかでどうやったらやりたい(やるべき)ことができるのか、私生活でも仕事でも、そんな日々でしたが、
やっぱり、登山はやめられない!
ですね。笑
ということで、
コロナを奇貨として、居候を卒業。ついにテント一式を購入。
その初めての活躍の場として、テント泊憧れの地、五色ヶ原へ行ってきました。
テント初めて買ったなら、普通は低山で、日帰りとか、一泊なんじゃね?
思い立ったが良日、買ったが吉日。3泊4日で折立〜薬師岳・五色ヶ原〜立山まで、のんびり歩いてきました。
「この厖大(ぼうだい)な山は、行けども行けども、頂上はなおその先にあった。」と、深田久弥をして、その遠さに辟易として、4行も費やさせた長大な縦走路。(ほんと、遠かった、、、)
その分、テント泊山行の楽しさがぎっしり詰まった、最高の山歩き、4回シリーズで書こうと思います。
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入山口となる富山県の折立へ
まずは、今回の入山口、富山県の折立まで、新幹線・鉄道・バスを乗り継いで向かいます。
今回のコース、立山から入山し、折立に下るのが一般的ですが(高い方から低い方へとなるから?)、折立からのバス、平日の運行が8月まで、ということで、今回の行程では利用できず。(一人だとタクシー高い、、、、)
富山駅にもアマビエ様。
どうでも良いですが、アマビエが何者か、このパネルの記載で初めて知りました。
どうしても、アマエビ(甘海老)にみえるんだよなーーーー、、、、
始発の新幹線でも行けるのですが、初日はのんびり、駅前のホテルに前泊します。夕日がキレイだったー。これは期待!!
(この後雷雨でした。薬師岳もすごい雷雨だったとか。のんびりしてよかったー)
富山名物。ブラックラーメン。おかずとしてのラーメン。
ラーメンが本気で味が濃い。塩分と炭水化物をフルチャージ。
今回の装備一式。なんかよれてるな笑 推定重量22kg
電鉄富山駅から、朝6時の電車で向かいます。
電車はこんな感じ。懐かしい感じ。
電鉄富山駅から約1時間で「有峰口駅」ここで折立行きのバスに乗り換えます。
時刻表見ると乗り換え時間13分で短いなー、って思いましたが、
駅にバスが、見ての通り横付けで笑
運転手さんがみんな揃ったのを確認して出発してくれるので、安心でした。
折立はこんな感じ。
この付近は熊がめっちゃ出るとのこと。
人の食べ物の味を覚えてしまったとのことで、近くのキャンプ場は閉鎖中。
ザックを放置すると持ってかれちゃうんだそう。バスの運転手にはトイレに行く間でもザックは背負っていてくださいと言われました。(5万円が入ったザックが実際に持ってかれたそう。それは熊か?笑
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折立から、ながーくゆるやかな上りを経て、太郎兵衛平へ
そんなわけで、前置きが長くなりましたが、8時30分長くて楽しい時間の始まりです。
ゆるやかに樹林を縫って歩いていきます。一箇所だけ、沢に向かって崩落地がありました。
2時間ほどで、三角点。
さすが三角点。開けてます。
ベンチがたくさん並べられていて、休憩適地。ここで眺めに休憩をとりましょう。
ここから先は、精神力を削りに来ますので、しっかり英気を養うべし!です。
三角点から30分ほど歩くと森林限界を超えます。はるか先まで、上りですなー。
何年も前からずっと、登山道整備事業が進められています。しっかり整備された道が、この先なんと1時間も続くのです。頭が下がります。
が、こう、人工的な道って、歩幅が合わなかったり、どうもペースが取りづらいですよね。
しかも、これが1時間代わり映えなく続くのです。
振り返ると、登山口近くの巨大ダム湖である、有峰湖が見えてきます。振り返って気力をチャージ!
ど、どこまで続くのか、、、、、、
森林限界超えた地点からすでに45分。歩き続ければゴールは必ずやってくる。はず。
ちなみに、深田久弥はこのへんで道に迷って一度撤退してます。
今でこそ道がしっかり付けられているから分かりやすいですが、道がなかったころは、どの稜線をどの方角にたどればよいか、難しい道だったでしょうに。ガスったらイチコロ。
そう思うと、整備してくださっていることに文句はいえません。
最後、木道が出てくれば、太郎平小屋はすぐです。(写真では見えてしまってますね笑
そんなわけで、12時45分、登山口から4時間ちょっと。
太郎兵衛平に立つ、太郎平小屋です。
兵衛はどこへ行った、、、笑
2年前、黒部五郎から折立方面に歩いた際、途中で豪雨に見舞われ駆け込んだ、思い出の小屋です。
ここの「行者にんにくラーメン」パワーが出ますよ!
(今回は良いもの持ってきているので、残念ながら食せず!)
中はこんな感じ。キレイです。
乾燥室もしっかりしていて、その節は大変お世話になりました。
(今はコロナ対応、中には宿泊者だけしか入れません。テント受付者は入り口まで)
小屋でテント受付をします。
(テン場でも夕方受付がありますのでご安心を)
前回は、こっちから、今回はあっちへ。そんな山のY字路
あっち、本来薬師岳が見えるはずなのだが、、、、、うん、いつも通りですね!笑
協力しますとも!
太郎平小屋から木道を15分くらい歩くと、
13時30分ころ1日目の幕営地、薬師峠に到着です。(写真は16時ころのもの)
太郎平と薬師岳との鞍部(峠)に位置しています。これは薬師岳側から撮っていますが、左手の斜面にテント場、右手の斜面に水場とトイレという構成。
幕営地とトイレが物理的に隔てられているのは精神衛生的にも良い配置。
水場はじゃばじゃば水が出ていました。トイレもキレイで、環境の良いテント場です。
日曜日ですが10張強。整地された場所もまだまだ空いていてました。
ここにも、受付・売店が開設されます。
この日は、「16:00頃からでしたよ」でした。到着すぐのビールを期待していた人は随分しょんぼりそうでした笑
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ここをキャンプ地とする!
って言ってみたかった笑
そんなわけで、場所を決めていざ幕営。
ソロで山で張るのは初めて。手際が悪い悪い笑
・棒刺す所間違えたー とか
・ペグ刺さらねぇー とか
・石にうまく固定できねぇー とか
設営簡単なモンベルのステラリッジ君、紆余曲折を経て、無事に設営完了!
いろんな反省があって、幕営時間 驚異の 30分!!笑
雨風なくて良かった良かった笑 いやほんと。
(後ろのレインは、あとでちゃんと張り直しました笑)
このレインフライの色に惚れて、何年も前から、テントはステラリッジ君一筋でした。
念願のマイホームと思うと感慨深いです。
顔を出せばこの夏山の景色。
ああ、電波も入るし。俺、来週からここでテレワークするんだ、、、
昼ごはんは富山名産の「鱒の寿し」
本来は1重(円形)だいたい2人前なのですが、
お弁当サイズ。しかも裏におぼろ昆布、という変わり種が売っていましたので、地物を山で味わうべく担ぎ上げてきました。
ええ、押し寿司なんで重いんです笑
味は、最高でした。
しっかり〆られた鱒に甘めの酢飯。おぼろ昆布のコクが争うわずに調和して全体を引き上げてくる。
これはお取り寄せしたいなぁ。
と思ったら、できるみたい。是非!
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テント場周りはチングルマ。穂(実?)がキレイでした。
昼ごはんを食べて、さあ次は夜ご飯だ!笑
テント場、幕営が済むと、飯食って寝て本を読んで飯を食う、贅沢な時間になりますね笑
登りで使った筋肉を回復させるべく、常温OKのサラダチキンも持ってきました。このサラダチキン、めっちゃ美味しかったです。これから自炊の定番になりそう。
夕方、テントのそばに鳥が飛来。雷鳥か!?と思ったら、なんと、鳩でした。
普通の鳩??これはこれでなかなかおもしろかったです。
夕焼けて
夜景に。
背景は燕岳付近において発達した積乱雲君。夕方くらいから夜遅くまで、ずっと雷がなっていました。
「こっちくんなー、、、」とずっと祈ってました笑
祈りが通じたか、月がとても明るくて、ヘッドライトいらず。むしろ、明るすぎて眩しく眠れない笑
そんな幸先の良い1日目でした。
明日はいよいよ、薬師岳を超えて、スゴ乗越まで。薬師岳から続く天空の散歩道編です。
【両神山】秩父のおだやかな山歩に紅葉と霜柱と
あけましておめでとうございます。
シーズンオフしてからまたもやすっかり筆が重くなっておりました。
そんなわけで、シーズンオフ前最後に登った秩父は両神山の登山記録を徒然と。
期待していなかった紅葉に、一面の霜柱。
晩秋の関東の山はこんなにも充実していました。
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最初からクライマックス
今回は日向大谷の登山口から。到着と同時に日の出です。なんとも幸先がいいなぁ。
土曜日でしたが、午前7時の時点で駐車場は空きが十分ありました。登山口直下にも駐車場がありますが、そちらは有料。
11月末ということで、気温は氷点下。レンタカーがノーマルタイヤだったので、道中凍っていたらどうしよう、、、と思いましたが、幸い凍結箇所はなく。
駐車場付近が紅葉のピーク。もう、以下のとおり。
実はこの2週間前に秩父・長瀞に訪れたのですが、少し早かった、こともあり不発だったのですが、この一本のモミジに今年一年の紅葉を十分見せてもらいました。
有料駐車場は一部、先日の台風の影響で崩落。いや、一部ではないか、、、
登山口にはこんな鳥居が。
上には立派な神社もあって。三峰もそうですが、このエリアは山岳信仰が盛んなのかな?
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沢沿いに不明瞭な登山道をすすむ
道は渡渉も多くて、落ち葉の影響で不明瞭でした。
ピンクテープが見えても、さてどう歩こうか、と戸惑うことも多くて、進んでは確かめ、進んでは確かめ。前の人が間違ってることも度々で気の抜けない道でした。
山道って何?笑 ここはすべて山道なんじゃ、と突っ込みポイント。2箇所くらいあったかなぁ。
案外道がしっかりしているので、落ち葉が新しい時期はもしかしたら迷い込む人がいるのかもしれませんね。
やたらと白い不動明王。
1時間30分くらい、ずっと沢沿いを歩くので日差しも入らず極寒。
でも山腹に取り付くと一点、日差しがはいって、広葉樹林のやわらかな日差しと風景。奥多摩エリアってこういう景色が多いから好きだなぁ。
霜柱も威勢よく。
上はしばらく前に崩れたのか登山道毎がっつりもってかれてました。
また、弘法井戸直上の木は最近倒れたばかりのようで、これは台風かな?
手入れの行き届いた山域ですが、自然の恐ろしさをそこかしこで見かけました。
その弘法井戸。
水は勢いよく湧き出していました。冷たそうだったので口にはしませんでしたが
氷が下からにょろにょろと成長中。
ムーミンのにょろにょろってこの辺がモチーフ??
弘法井戸を越えるとすぐに清滝小屋です。
冬季は清滝小屋の水場が止められているので、清滝小屋に泊まる方はここで汲む必要あり。
平成3年築ということもあって、とても綺麗な町営の小屋。
営業していないのがもったいないなぁと思いますが、まあ、両神山は日帰りかなぁ。
清滝小屋直上には染み出した水が氷柱になってました。
清滝小屋から10分ほど登ると、やっと稜線にたどり着きます。
いたるところ、霜柱だらけです。
なぜかここだけ、親の仇かと言わんばかりに踏み荒らされてました。何があった、、、笑
霜柱ってこんなに成長するものなんですねぇ。
雪国出身ですが、あまり霜柱に縁がなくて新鮮でした。
(たぶん、霜柱が育つくらいに寒くなったらそもそも雪で一面覆われちゃうんでしょうなぁ)
土と岩盤の境目から染み出した水が岩の表面を覆ってつるつる。そこにはえちゃった草がかちこちです。
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狛犬?
小屋から30分くらいで神社に到着します。山奥なのに立派な鳥居。
え、人相悪くない!?
ってよく言われるんでしょうね。
そういえば、秩父は狼にまつわるものが多いって何かで読みましたね。狛犬。たしかに、犬か、、、、
やましい心もって、神社に近づくと襲いかかってくるのかなぁ。ガーゴイル的な、、、
奥にも別の神社。ここにも狛犬(狼)います。こちらのほうが犬感ある。そしてちゃんと阿吽だ。
この辺から富士山がチラ見えします。
山頂直下から岩場鎖場が出てきますが、ホールドポイントもたくさんあるので、特に不安はなし。凍ってさえいなければ、、、笑
そんなわけで、3時間で山頂に到着です。
山頂からはもう雲一つない絶景。富士山はてっぺんテカテカです。寒いのかなぁ。
北西方面
八ヶ岳方面アップ
八ヶ岳から、蓼科山まで、北アルプス方面もよいく見えます。槍が岳も見えているそうですが、はて笑
道中ものすごく寒くて、山頂に滞在するのは無理だろうと思われたのですが、奇跡的に日当たりと風の関係か、山腹より山頂の方が暖かかったです。
山頂でゆっくりご飯たべて、シーズン最後の絶景を味わいました。
下山はきた道を引き返すだけなので省略。下山路のこういう道、大好き。
そんなこんなで、今シーズンは百名山を13座(うち3座は再登) 大変充実した登山の年でした。
読んでいただいている方も、そして自分も、今年も良い登山に恵まれますように。
(当面スキーシーズンなので、次の登山は春先かしら笑)
【立山】ゆるふわはじめてのテント泊@雷鳥沢 立山3X3
台風一過、今回は河川氾濫などたくさんの被害がでましたね。
千曲川をはじめ、縁のある地域での災害は心が痛みます。
みなさんのお住まいの地域がご無事であったことを 祈る限りです。
身近に迫った災害に避難装備を再確認した結果として、緊急の避難時に持ち出すべきは、「小屋泊装備と貴重品」と整理がつきました。
縦走装備かなぁと思っていましたが、家が1日後には立ち入り可能(住めなくとも)と
なることを前提とすれば、荒天のなか縦走装備で避難する方がリスクだなと。(特に台風時)
別に寝袋もマットもなくても1日くらいなら体力的に問題ないし、二人で一つ、カビ臭い布団をシェアする山小屋より避難所の毛布の方が絶対快適だ、という前提の崩壊。
もちろん、家が水没、倒壊というリスクも考慮すべきですが、稀頻度リスクより、起こりやすいリスクに備える方が実効的かなと。ここは割り切りですね。今回の台風でそう覚悟がついたということ。
さて、そんな稀頻度災害にも対応できるであろう装備で楽しみました、立山ゆるふわはじめてのテント泊。
前回は夏の暑さに見事にやられ、、、、(あ、この装備真夏リスクには対応できてないな笑
テントの楽しみもそこそこに眠りについた第1日。
今回は立山本体を巡ります。
溶岩台地にそびえる絶景の散歩道編です。
反省を生かして早朝アプローチ
前日の反省を生かして、暑くなる前に登り切ろう!ということで日の出前に出発です。
テントに全装備置いていけるなんて最高だ。立山はほんとうに何度も登っていますが、早朝に登るのは初めて。わくわくします。
雷鳥沢から階段を登っていたら「ギュー!ギュー!」との鳴き声。
もしや、とあたりを照らしてみると、
雷鳥親子と遭遇。
朝から幸先が良い始まりです。
しかし、雷鳥は鳥目ではないのか、、、笑
朝日が立山の向こう側から登ります。
剱岳がこっちをみている。
室堂の台地がほのかな朝日に照らされて幻想的です。
朝日を後ろに従えて立山がかっこいい。
陽が昇るのを待ってもいいですが、それでは本末転倒なので登り始めます。
なお、雷鳥沢からは立山まで直通ルートがありますが、立山ではそのまま飲用可能な水場は室堂の「玉殿の湧水」のみ。昨日も満タンにしたのですが、1日で飲み干してしまったので給水のために立ち寄りました。
一ノ越を越えると、目の前に槍が岳の勇姿が。
立山はなんども登りましたが、ガスが沸きやすい地形なのか、
私のガス男力が高すぎるのか、ほとんどすべてガスに巻かれるため、こんなキレイに見通せるのは初めて。
朝から絶景です。
一ノ越からの登りはこんな感じ。結構がっつりのぼります。辛いです。
何もないように見えますが、実はこの斜面の陰に一ノ越山荘が隠れています。それほどの斜度です。
手を使うような登りが約1時間。体勢を崩すと後ろに倒れそうになるので要注意です。
標高を上げると竜王岳・浄土山の向こうに薬師岳をはじめとして黒部原流域の山々。
五色ヶ原、歩いてみたいなぁ。
そして、 立山山頂です!
室堂から2時間ほど。朝7時に登頂です。
真ん中に槍ヶ岳。左遠くには八ヶ岳と南アルプス。それに挟まれる富士山(写真だと見えにくい。加工しようかな)右側には水晶岳がどんと黒部原流域の山々。日本列島が縦にほとんど見えています。
あ、神様。
じゃなくて、
山頂はこんな感じ。社務所がどかーんと立っています。
立山山頂オリジナルのmont-bell Tシャツは残念ながら売り切れ。山でよく見かけるので欲しかったなぁ。
500円で登山の安全祈願を祈願していただけます。
あの神通力強そうな宮司さんに祈願してもらえるのです、行かない手はない。
参拝記念のお札ももらえます。これをザックにつけて歩くのが 立山スタンダード(たぶん
家に3つくらいあります。風鈴がわりに吊るしてます。
神社からもう一度振り返って。
本当に良い天気です。まだ暑くないし。朝一番アタックは大成功。
さて、ここはいわゆる立山のうちの「雄山(3003m)」
立山は「雄山」「大汝山」「富士の折立」の3つのピークの総称です。
この3つを渡る稜線が、私の知る中でも最高の稜線の1つ。
この晴天のなか、最高の稜線を歩いていきます。
立山 絶景のお散歩歩き
そう、剱岳が一番かっこいいアングルの一つです。
剱岳に向かってこの稜線道をずーっと歩いていくのです。最高。
右の端に少し写っているのが「富士の折立」です。
立山は氷河地形がとてもはっきりしていて、こんなキレイに圏谷(カール)が見られます。
これは大汝休憩所。大汝山山の直下3000mくらいの標高に建っています。
映画「春を背負って」においては「菫小屋」として、映画の舞台にもなりました。
残念ながら休憩所なので基本的に宿泊はできません。
なぜ正面から撮っていないか、というと、賑わいすぎていて、忘れました笑
こちら富士の折立。縦走路から少しはずれて、結構険しい。
そういえばいつもスルーかも笑
室堂側はこんな感じ。地獄谷の存在が景色に色を添えますね。
3000m級の連峰において、火山があるのは立山くらい。
こちらは別山。スルーしがちですが今回はこちらもよりました。
このあたりまでくると結構疲れているので、まあいいいや、という人はピークを巻く道もあります。
雄山を「立山」3つの峰で「立山」それが3つで更に「立山」立山は定義が幅広い。
ここでガス男が発動しガスに巻かれましたので写真はここまで。
この後は雷鳥坂を降ってテン場まで戻ります。
なお、この雷鳥坂、室堂から直接剱岳を目指すならここを昇るのが最短コースですが、相当きついです。
テント泊装備を担いでバテている登山者を何人も見かけました。
それを見ているからいつも下りで使っていますが、いつか剱沢でテント泊がしたいし、挑戦しなくてはなぁ。
テント場まで戻って、今日もお風呂に入って。
さあ宴会です。
雷鳥沢の雪解け水でキンキンに冷やします。ほんと、あっという間にキンキンに冷えます。
上の写真は人の冷やしていたやつ。写真だけ撮らせてもらいました。
最近はなんでも人のお酒を盗む輩が現れると、立山好きの間で問題になっているとか。
山は性善説で成り立っているのです。ガキ田で一生田植えをしていれば良い。
(稲が実るタイミングで鬼が邪魔しにきて一生実らない、そういう地獄だそう。ある意味一番やるせない笑)
と思っていたら、剣沢でテント一式盗まれる事件が発生したそうですね。
剱沢は山ヤ以外なかなかこない場所なのに、、、、 残念な世の中ですね。
そんなやつ、地獄谷で煮られれば良い。
今日は麓から持ち込んだお酒(今回はウイスキー)も開けて、
テントでいろいろ話をしながら、夜はふけていきます。これぞ、テント泊。
暗くなりましたので、夜景をば。
今回は最近の相棒 canon G7 markⅡ で初めての夜景撮影(三脚あり)に挑戦しました。
普通にキレイに撮れる!笑
星空もお手の物。
今日はたまたま、ペルセウス座流星群の極大。流れ星見放題です!
(昨年、黒部五郎の小屋でも、たまたま極大で無限の流星でした。)
翌朝テントから顔を出すと
立山にご挨拶。テント良いわー。我が家も買おう。
今日は帰るだけなので、ゆっくりコーヒーも入れますよ。
地獄谷も今日も白くて美しく。
8時過ぎですがまだまだお盆休みのど真ん中。テントがたくさん。
みくりが池温泉の名物ソフトクリーム。
時期によってフレーバーがいろいろあるそうですが、今回はブルーベリー。美味。
室堂に戻ってノンビリと。
「立山自然保護センター」で動画視聴。
すんごい絶景。インバウンド向け故にエモーショナルな作品が見られます。
(古いのもあって、これはちょっと笑ってしまう。昭和感笑)
富山ではちょっと有名な「立山そば」
出汁がいいのか、とても美味しいのです。(立ち食いにしてはちょっと高いけど)
を食べて、きた道を引き返します。
トローリー オー!
(これがわかった方、とっても仲良くなれる気がします笑)
黒部ダムに戻ってきました。昼なのでダムにも陽が入っています。
ので、
キレイな虹が拝めました。旅の締めくくりとしてこれは最高だ。
そんな感じで、立山ゆるふわはじめてのテント泊は終了したのでした。
天気にも恵まれて、初めてとしてはこれ以上なく良いコンディション(雷鳥沢のテン場がそもそもテン場として最高の立地というのがある)で、テント泊デビューが飾れました。
そのうち自分のテントも買って(ソロテント)、裏銀座とかテント泊縦走してみたいものです。
秋ももう終わりで今年の登山シーズンもあと1ヶ月くらい。せめてあと1箇所くらい、どこか行っておきたいところです。
本日も読んでいただきありがとうございました。
【立山】ゆるふわはじめてのテント泊@雷鳥沢 のはずが、、、
紅葉シーズンはじまりましたね。
秋山の高い空と清らかな空気に想いを馳せながら、残念ながら今週は街で過ごします。mahalです。
さて、先週までは3週にわたって後立山連峰縦走について書き連ねましたが、今日はその対岸、立山連峰です。
後立山連峰縦走の1ヶ月ほどまえ、お盆に「はじめてのテント泊@雷鳥沢」に行ってきましたのでそのときのことでも。
テントやりたいなぁとずっと思っていたのですが、金銭的問題と、冒険的登山のための重量削減のため、なかなか手を出せていなかったテント泊。ちょうど友人がテントを購入したので、居候させてもらいました(笑
とんでもない快晴、それゆえにすべてが陽炎に消えるとかと思った、はじめてのテント白@雷鳥沢。
後立山連峰縦走についてはこちら。
扇沢から黒部アルペンルートで室堂へ 最初からの大絶景
深夜のうちに車で都内を出発。朝4時に扇沢に到着しました。
車の中で代わる代わる3時間ほど仮眠する予定が、話が弾んで徹夜で到着。そしてすぐに明るくなって、、、、まったく眠れず、、、
徹夜登山。登山は朝が早かったり深夜バスだったりと、移動が大変なので、往々にして睡眠不足で初日を迎えるものですが、さすがに徹夜は、、、これがこのあと尾を引きます。
朝5時の時点で扇沢駅は切符購入待ちの列ができています。
赤沢岳あたりの岸壁かな。扇沢駅の奥の山が朝日に照らされて真っ赤に染まっています。
そう、この違和感に気づいた人は扇沢マスター
(気づく人ならそもそも知っている説。有力。)
今年からトローリーバスではなく、電気バスになりました。
日本で唯一立山黒部アルペンルートだけにあるトローリーバス。
これで残りは立山直下のトンネルだけになりましたね。
今日は立山に行く人側の人なので列に並んで待ちます。
代わる代わる準備をしたり朝ごはん食べながら、切符まち。朝6時時点。この混雑っぷり。お盆の2日目だしなぁ。
無事、第2便を確保し6時30分、電気バスに乗り込みます。
駅で停車中に充電してますね。この辺はトローリーの設備流用かしら。
あんな簡単な設備で、そんなに停車時間も長くないのに充電できるものなのですね。
将来的に街中のバスもあんな感じになるのかな。
外には最後尾の札をもつお兄さん。
帽子とあいまって、ここは夢の国かと、、、
ゆられること10分くらい。黒部ダムに到着。
黒部渓谷にはまだ日は届いていないので薄暗く、逆に雰囲気があります。
早く来た人だけがみられる静謐とした空気感。
立山の壁もよく見えます。
遠くから見ると綺麗な台形をしている立山ですが、ここからみると岩肌が際立って、また異なる顔を見せてくれますね。
黒部ダムはサービス精神旺盛に今日も観光放水実施中。
こちらは下流側。
光の境界がくっきりと。朝靄に東側からの日が当たって、天使の梯子のようになっています。なかなか幻想的。
このあと、さらにロープウェィ、トローリーを乗り継いで、室堂に到着です。
乗り物のなかでは爆睡につき写真はありません笑
山の日ということで、山の日イベントやってました。(朝早すぎてまだ開催前。残念、、、)
はい、今回もう勝ちました。大快晴です。
朝8時30分ですがこの人の入りよう。ここは登山と観光地の境界。
どこまで歩くんだ、という超大型ザックを背負った山岳部諸兄から、ハイヒールの外国人まで、いろんな人がこの立山の絶景を堪能しています。
3000mの高山を公共交通でアクセスできるのが立山の良いところ。
例えば、雲の平にバスでアクセスできようなもの。違うか、、
ミクリガ池の逆さ立山からの雷鳥沢キャンプ場
今日は風も穏やかでミクリガ池にはほんのり逆さ立山が。
ミクリガ池は何度もきていますが、なぜかいつも波立っているので今日は幸先よろしく。
そして、知っている人はご存知。
細田守監督のアニメ作品「おおかみこどもの雨と雪」は富山県が舞台になっています。
とても印象的なシーンでこの景色が描写されるので、あっ!思う人は多いのじゃなかろうか。
詳しくは
ミクリガ池のすぐそばには地獄谷。
昔はあのなかも遊歩道がありましたが、何年か前から火山活動活発になり、立ち入りが禁止に、、、
その奥にはどんと構えた奥大日岳。今日はゆっくりあそこまで歩きます。
地獄谷脇を雷鳥沢方面に歩く人々。なんだか絵になるなぁ!
雷鳥沢のテント場。
お盆2日目ということで、昨日から相当入っているのでしょう。大混雑。色とりどで綺麗。
テントの宝石箱や〜〜
失礼しました。
引き絵でとるとこんな感じ。大きな山の懐に広がってることがよくわかりますね。
受付を済ませて、無事にテント場も確保。
テント設営は2回目なのにyoutubeシミュレーションですっかり手慣れた友人の指示のもと、あっという間に設営完了しましたので、奥大日岳に向かいます。
せっかく立山に来たのでピークを踏んでおこう ということで奥大日へ
まずは沢沿いに。雲ひとつないから本当に気持ちがよい。
チングルマも元気よく。
少し離れて振り返ると室堂山方面、その手前は地獄谷。
こうしてみると室堂がいかに平なのか。地獄谷って意外と広いのだなぁ。
というのがよくわかりますね。
ここでも火山の成分が溶け出しているのか、沢の色が青く見えました。
なんだか、かわいい笑
剱岳に「かわいい」なんて言えるのはもしかすると北アルプでここだけ?
稜線からの絶景がどんな感じか。
アップロードするとわかりにくいのでイメージくらいですが、
立山全部のせ。
ほんと、270度くらいに広がる立山がすべて見渡せます。前見て歩いている場合ではない!
ニッコウキスゲもご機嫌麗しく。
と思っていたらガスが湧いてきました。
ガスに浮かぶ剱岳。やはりかっこいい。1ヶ月後似たようなシチュエーションをま裏側から眺めることになろうとは。
そんなわけで、雷鳥沢から3時間ほど。奥大日岳山頂に到着。
奥には今まで歩いてきた道が。意外と遠くまで歩いてきましたね。
この日は8月11日。夏真っ盛りで大快晴。とすると、物凄く暑い。
冷房に慣れた体。加えて今日は徹夜明け。
みごとに全員で熱中症気味になりながらでしたがかろうじて到着。
道中同様に暑さにやられたのか、所々に残る残雪の脇で体を休めている人を多く見かけました。山の日前後の暑さは異常だったらしく、立山に来ていた知り合いも熱中症でダウンしたんだとか。
山は水の確保にも苦労するし、高山ともなると遮るものもない。
熱中症という観点での対策の必要性を改めて感じた次第でした。
というわけで、体力回復させるためにお昼ご飯。
荷物量には余裕があるので、今日は食品をいろいろ持ってきました。
最近お気に入りはラーメンにこの豚角煮を入れての角煮ラーメン。
チキンラーメンとの相性が抜群でした。
大展望を満喫してさて雷鳥沢に戻ります。
暑さでバテバテなので、写真がまるで残っていません。
「こんなところ歩いたっけ??」
登りから朦朧としてたんだなぁ、全員で登りの記憶が曖昧でした笑
なんとか雷鳥沢まで戻ってくると、
なんということでしょう。雷鳥沢のキンキンに冷えた清流。
雪解け水なのか、10秒とて手をつけていることが厳しいくらいにキンキンに冷えていました。
足を水につけたり、顔を洗ったり。
この沢がなかったらほんと死んでた。むしろここは天国?
まさか山に来て沢遊びが出来るとは思っていませんでした。(1ヶ月後に後立山でも同じ感想笑
雷鳥沢のテント場のよいところ、それは、すぐ近くでお風呂に入れること。
山の上でお風呂に入れるなんて、最高でした。
雷鳥荘やみくりが池まで登れば温泉にも入ることができますが、雷鳥沢からみくりが池温泉までの坂道は通称「地獄坂」。
体力ありあまっている人にだけのオススメです。
夕方からは雨となり、疲れも重なってこの日はお風呂から戻って食事をしたらすぐ夢のなか。
まるで星空を見ることもなく夜が更けていきました。
そんなこんな、初めてのテント泊。
どちらかというと暑さに完全にやられました日記となってしまってしまいますが、
翌日は朝から立山に登って、北アルプス全部盛りの大絶景を拝みます。
反省を生かした早朝出発、朝焼けの立山縦走。
立山縦走編はまた後日。
今日も読んでいただきありがとうございました。
【後立山連峰縦走】扇沢から鹿島槍ヶ岳・五竜岳を経て祖母谷・欅平へ③ 大自然の下山道編
3回シリーズで書いてきました今年の夏山ハイライト 後立山連峰の縦走編も今回で最終回。
後立山連峰の縦走は普通、遠見尾根や八方尾根を下り、白馬村方面に降りることが一般的です。
しかし、一年に1回は冒険登山をやっておかないと。
今回は、一部で有名な「黒部渓谷鉄道」の終着駅である「欅平」まで歩きで降りて、そこから渓谷鉄道・登山地方鉄道・北陸新幹線を経由して下山します。
マイナールート故の静かな下山道。この道を歩いた人だけが見られる特別な剱岳の景色。
前回2回とは少し趣のちがう玄人好みの下山道編です。
唐松岳頂上山荘から水を求めてバカ下り。
前回も書きましたが、この日の朝陽は本当に綺麗でした。
朝陽を堪能して、午前6時、いよいよ祖母谷方面に歩き出します。小屋の前はこれから出発という登山者で大混雑でした。
小屋のオーナー曰く、祖母谷方面は出発は6時がリミットとのこと。確かに、それなりのペースで歩いても欅平に14時30分になりましたので(終電は16時30分頃)あまり余裕はないかも。
テント場の脇にはチングルマ。夏に来たらテントからチングルマを眺めるなんていう贅沢ができてしまいます。
真ん中上が唐松岳頂上山荘。こんな離れたところまでテントが張ってあります。
唐松岳頂上山荘直下は坂も急ですし、テント場も脇にポツポツ隙間を狙って張っていくことになるので、テント場としては使い勝手は微妙かもしれません。五竜山荘は小屋直下に開けた平なテント場が広がっていましたので、手軽に張るならそちらの方が良いかも。
テント場が途切れるあたりから道が荒くなってきます。
鎖とかも整備してくれていますが、これが低いんだなぁ、、、、滑落したときの命拾い用ですな。
どこがコースなのやら、かろうじて一人歩ける細い踏み跡を辿っていきます。
早々にキレットを上回る鎖場の通過も。
高度感がないのと、思いのほか足の置き場があったので、見た目ほど怖くはありません。また、途中に有人小屋がない8時間のロングコースなので、すれ違いの心配もまずないです。
この日は本年最大の30名がこの道を下るんだとか。山奥深いところを歩くので他に入山者がいるのは心強い。
五竜岳の展望がとても綺麗です。もう随分降ってきました。
朝7時の段階でガスが白馬村の方から上がってきました。昨日までは夕方までガスが上がってこなかったことを考えると、天気は少しずつ下り坂ですかね。(天気予報も晴れは今日まで)
3日も山にいると、日々の違いがよくわかります。天気の違いをダイナミックに感じられるのも登山の良いところ。
歩き始めて約1時間。先ほどの展望地を最後に樹林歩きへ突入します。
突入しますが、まだまだ名残惜しむべからず。この先も所々展望が待っています。
温泉から岳へ。何というとこで綺麗に切れているけど、この看板の文字は魅力的。
はい、どちらも大好きです。温泉と山岳を行き来する道とかどっちに行っても最高かよ。
池塘があったり。ちゃんと木道が敷いてあります。これはありがたい。
木道を過ぎてすぐのところに水場との分岐があります。
水はすでに空っぽ。この3日間水場というものに一度も行けず、水分補給に気を使っていても身体はカラカラ。
今日は標高も落としますので暑くなりますので、ここでの水補給が生命線。
ありがてぇぇ!
稜線歩きで顔を洗うだけの水にも苦労してきた3日間。こんなに潤沢な水にありつけて、本当に感動します。
ちなみに水場とはこの沢の水のこと。
地図上も水場指定されている沢ですし、流れも速く清潔さは問題ないでしょうが、オープンエアーなので、念のため浄水器を通します。今回の旅はこの浄水器が大活躍。
3L補給し、飲めるだけ飲んで、干からびつつあった身体に水を行き渡らせます。
気持ちよすぎてここで、15分ほどのんびりします。他に登山者もおらず、沢のせせらぎが本当に心地よい。
ほとんどの人が寄らないそうですが、ここは是非とも寄っていただきたいスポットです。
標識上往復15分ですが、往復10分でいけます。
体力完全回復させて、さあ、先へ進みます。
水場への道はこんな感じ(写真は水場→分岐の順)
ちょうど刈り払ってくださったのか、とても歩きやすかったです。
餓鬼山への地獄の登り返し
分岐直後が大黒銅山跡です。建物も何もなく、ボタ山(?)だけが往時の面影を残しています。
しかし、よくこんなところで銅を取ろうだなんて。
木の根の階段ですね。
先に見えるのが餓鬼山。
これの登り返しが今回の下山行で一番辛かった。
ひらけた稜線部をひたすら上がっていきます。
標高を落としていることもあり、気温がぐんぐん上昇、日差しも強く、9月とはとても思えない、、、
先ほど水をフル補給して本当によかった。
途中ザレ場もトラバースします。
木が滑落寸前。ごめん、私にできることはない、、、
今回一番道が細かったところがここです。
刃渡りというか、両サイドかなり切れ落ちており、見ての通り、両足揃えて立てるかどうか。
足がすくんだぜ、、、、
実は高所恐怖症なので、ガクブルしながらなんとか通過。精神力も容赦なく削ってきます。
が、そんな登りも耐えきれば
はい、絶景。
先ほどのところから約30分。唐松頂上山荘をたってから3時間30分。なんとか餓鬼山の山頂です。山頂はひらけていて、後立山連峰方面が大絶景です。白馬方面・唐松岳・五竜岳・鹿島槍ヶ岳。
これまで歩いてきた山々が、また別の角度からたっぷり眺められます。ガスが山に堰き止められているおかげでまだこちら側からは大絶景が見られました!
ちなみに餓鬼山の山頂はコースから分岐した先にあります。ほんの数分。寄らない手はありません。
立ち枯れの木と裏劔。
木と剱岳の組み合わせって意外とレアじゃないですかね。他に記憶がありません。
10時30分、餓鬼山の避難小屋です。中はとても綺麗でした。
この先の道の危険さも考えると、ここで一泊するのも手かも知れませんね。
(12時までにはここを通過することが推奨されています。)
ちなみに、この避難小屋、地図だとまだかなり(15分くらい)降ったところにあることになっています。
こんなに地図と実際の位置が違うのも珍しい。
ここで追いついた方曰く、今朝ここではクマが出たとか。
急に恐ろしくなってきて、休憩もそこそこ、歩き始めます。
熊怖い 恐怖の四十八曲がり
立派な木。このあともっと大きな青々とした巨木もありました。
なんかいる!!笑
真っ白なキノコでした。
こだまかと思いました。 可愛かった。
ダケカンバ?の爽やかな森林歩き(振り返り方面)
秋というより初夏を思わせるような心地よい木漏れ日でした。
なーんて思っていたら恐ろしいものを発見((((;゚Д゚)))))))
これは、 あれ、 ですよね 、、、、
なんだか新しく見えるのですが、、、、
近くにいることを確信しました。以降、藪のガサガサ音が怖くてしょうがない。
道迷いポイントとして注意喚起されていたところですね。
ここを左に尾根に入ると間違いのようです。時期柄か尾根側の道の踏み跡は完全に埋まっていましたので、そんなに間違いの心配はなさそうです。
この先、四十八曲がりと呼ばれる急坂に突入します。
ごろっとした岩。表面を苔が覆っていてめちゃくちゃ滑りやすいです。気をぬくと一瞬で滑ります。
そして、藪が濃くなります。
ええ、いつクマがひょっこりしても不思議じゃない雰囲気なのです。
しかも、上の木々には猿の群れ。ギャーギャー鳴いてくるのです。
早く通過したいのにペースを上げられない。
もう、ストックをカンカン鳴らしながら、迅速かつ慎重に通過します。
とても写真など撮っている場合ではない。
約1時間。やっとの思いで危険地帯を通過しました。
先ほどの四十八曲がり以降、シダ類が生い茂っておりシダ類独特の香りが充満しています。
四十八曲がりを抜けた先にこんな滝が出てきます。一人ならなんとか休める乾いた岩があるので、そこでやっと一息です。
この時点で12時30分。残りCTも2時間前後と安全圏に到達できてホッとします。
なお、この下山道10時30分頃に通過した餓鬼山避難小屋から祖母谷温泉に至るまで、これといった昼食休憩ポイントはありません。クッカーを使うような食事は餓鬼山避難小屋で早めにとるか、諦めるか、かなぁと思います。
(自分は行動食食べまくりで昼食抜きの選択を)
先ほどの滝を超えてからはこんな非常に薄い踏み跡を辿ります。
右側は先ほどの沢に向かって急坂になっているので、この薄い踏み跡が唯一あるけるポイント。道も、登山道というより、歩けそうなところを歩く、という感じ。
ずっと気を抜けません。
13時30分、ついに人工物(砂防ダム)が。
その直後、祖母谷温泉に至る鉄橋が見えます。ついに人里にたどり着いた!
という安心感。昔の人の山越えというのはこういう気分だったのかしらと。無事山を抜けられてよかったと。気分的にはシシガミの森を抜けたアシタカ。
一安心 祖母谷からの黒部渓谷観光
こちらが祖父谷。
こちらが祖母谷。この少し上に祖母谷地獄(温泉が自噴している箇所)があるためか、川の水も成分濃い目で色が青いです。アルミニウム? 北海道の青い池を思い出します。
右手が祖母谷温泉。ここで祖父谷と祖母谷が合流します。
祖母谷の名前の由来は「女好きのじいさんが、、、」とかなんとか、こんな山奥でよくもまぁ、笑
祖母谷温泉のテント場です。
ちなみに、男湯の露天風呂(野天)はこの手前。覆いも何もあったものではないので、テントを出て10秒で湯船に突入できます。
入っている方がいたので写真は流石に自重しました。
ここまでくると普通の観光客もちらほら。せっかくなので少し観光します。
祖母谷温泉から上流に5分ほど歩くと祖母谷地獄。
源泉です。
地面に手を当てると火傷するかと思うほどに熱を持っていました。
あまりの野天感。そしてそこまで景色も良くない(笑
黒部渓谷の抉れた渓谷を横目に、川の音を聞きながら下っていきます。
人喰い岩とか。
上の岩が剥がれて落ちてくるから、と欅平駅でヘルメット貸してくれます。
このへんはもう完全に観光地、俗世の領域です。
欅平駅が見えてきました。あの橋を渡れば今回の旅もゴールです。
絶景をフラッシュバックさせつつ欅平へ。
この橋がなかなか綺麗なのです(来た道を振り返って)
14時30分欅平駅に到着。唐松頂上山荘を出発して8時間30分。標高差は2100m。早月尾根に匹敵する長大な登山道。
やってやったぞ!!という達成感が満ち溢れます。
なお、まわりは観光客だらけ。
ここを起点にする登山道は、仙人谷方面へ向かう水平歩道をはじめ、玄人専用道ばかりなので、観光マップにも登山道があるなんて書いてありません。
まわりにも登山者はまるでおらず、、、、
場違い感ははんぱないです笑
こんな可愛いトロッコ電車に揺られること1時間強で宇奈月温泉駅に到着します。
ほっと一息、電車に揺られてうとうとしながら帰路につきましたとさ。
今回は道中通して天気にも恵まれ、思い入れが強かった山々を一つ一つ踏みしめ、展望しながら、本当に一生の思い出に残る最高の登山になりました。
いやー山っていいな。
夏山ももう終わりですね。
秋山、今年はどこに行こうかな。オススメの山があれば是非教えてください。
今回も長文、読んでいただきありがとうございました。
【後立山連峰縦走】扇沢から鹿島槍ヶ岳・五竜岳を経て祖母谷・欅平へ② 天空の縦走路編
先日の記事では扇沢〜キレット小屋までの道のりを、鹿島槍ヶ岳からの絶景とキレット小屋からみる剱岳に沈む夕陽をハイライトにお伝えしました。
今日はその続き、唐松岳までのまさに、後立山連峰の天空の縦走路とも言うべき道のりについて、書きたいと思います。
今日ももれなく大快晴の1日です。乞うご期待。
朝6時00分キレット小屋出発です。
前日の反省とあまりの快晴に留まってもいられず、予定より1時間の早立ち。
改めて振り返ってみる。これは有名なアングルですね。
本当に、すごいところに建っている、、、
キレット小屋は東側に立入れるスペースがないため、朝日が拝めません。キレット小屋から徒歩10分。ここで本日のご来光です。
今日も雲海が綺麗。山の朝晩は雲が出ている方が圧倒的に綺麗。
麓の人にとっては曇りなんだろうなぁ
写真では伝わりにくいのですが、優しい朝日とそれを受けて輝く草木。背景の雲海。
ここは天国。
美しすぎて今日は右側(東側)に目を奪われっぱなしです。
とはいえ、ここは八峰キレット。その核心部。
歩いているのはずっとこんな斜面。
昨日は滑落死しても悔いはないと言いましたが、(今でもそう思うくらい満足していますが)、気を抜かずに慎重に。
口の沢のコル付近まで北上すると、上越方面の山々が見えてきます。上越方面は冬にスキーで行くことは多いのですが、登山としては未開拓のエリア。台形の山々を始め面白そうな山が多そうです。雨飾山とか妙高の方面かしら?
富士山も今日はいっそうはっきり見えます。
キレット小屋から40分ほどで口の沢のコル。
CTでは1時間の道のり。写真撮りながら、朝一番なのでゆっくり、歩いてもこれくらいのタイムで到着します。危険箇所もほとんどないので、キレット小屋を早立ちするならここで日の出を拝みながら、朝ごはん、なんてプランニングも良いかもしれませんね。
目指す五竜岳がよく見て取れます。
あの稜線をトラバースしながら歩いていきます。
本日も剱岳大先生はこ機嫌麗しく。
この角度からは三ノ窓雪渓(氷河)がとても綺麗に見えます。
ちなみに口の沢のコルにはわざわざテント禁止と書いてあります。指定地以外なんだから当たり前でしょう、と思うかたわら、ちょうど2張くらいはれそうな広いスペースがあって、この絶景。気持ちはよくわかります。
立山のカールもそのお椀型がよくわかります。
10分ほどで北尾根の頭。
絶景スポットが続きすぎて困ってしまう、、、、
昨日登った鹿島槍ヶ岳方面。
鹿島槍ヶ岳って、どちら側から見てもほとんど同じ形なんですね。
ちなみに、今回の旅の相棒CANON G7X MarkII
今まで使っていた一眼レフがレンズ故障・重く感じてきたので、最近はやりの高級コンデジに乗り換えました。(三脚は一眼用の小型三脚をそのまま流用)
さっと出して綺麗に撮る。そしてコンパクトで軽い。
登山にぴったりのカメラです。
いつかこのカメラについてもゆっくり書きたいなと。(山記事ストックがありすぎていつになるか、、、笑)
こんな感じで長時間露光もタイムラプスも手ぶれなしでがっちり狙えます。
景色に見とれて忘れがちですが、そういえば危険な道を歩いていたのだなぁ。
ところどころ、崩壊地の通過も。
キレット小屋を出発して2時間。
さあ、八峰キレット1番の核心部。G5に突入しますよ。
岩が層状に割れているため掴み所はたくさん。
ただ、剥がれそうな岩には要注意。浮石も多いので混雑時は巻き込み・巻き込まれ事故がちょっと心配。
今日は連休初日の早朝ということで人はまったくいないためCT1時間巻きですが、混雑時は順番待ちで相当時間を費やしそう、、、
歩く分には、三点支持を守れば特にムーブに不安な箇所はないと思います。鎖も配置されていますが、安心材料程度、積極的に使う必要はないかと。
ただ、唯一、G5の鞍部に降りるここは、どう動いたらよいのやらさっぱり不明でした。
そして、この鎖が結構邪魔(笑
G5を越えれば八峰キレットもほぼ脱出。越えてきたキレット方面を見返すと。
見えにくいですが岩のてっぺんに富士山が見て取れます。
ここで息を整えて、壁のように立ちはだかる五竜岳にアタックです。
この登り、「壁」のような見た目ですが、ジグザグ登るので思ったよりは楽。
ただ、コースが不明瞭なのか、集中力が切れていたのか、度々コースアウトしました。
40分くらい。キレット小屋から約3時間。
剱・立山方面もこのとおり。雲一つない大快晴。山頂からの大展望はやはり午前中ですね。
本日の目的地、唐松岳と唐松頂上山荘もくっきりと。
これからあの稜線を辿るなんて考えただけでもわくわくしてきます。
キレットも通過して、今日の残り行程も見通せて、時間に余裕がたっぷり出てきましたので、
山頂でコーヒー淹れて本日のスイーツ、六花亭(北海道)の羊羹。
押し出して食べられるので手も汚れず、これは山スイーツとしてかなり優秀。
北海道でしか買えないのが痛恨。
登ってくる方々と、
あの山はなんだとか、昨日はどこの山を登っていたとか、このあとどこの山を登るんだとか、そんな山にまつわるたわいもない話をしながら、写真を撮ってあげたり撮ってもらったりと、1時間くらい山頂でまったりと。
会話のなかで、五竜山荘にかの有名なTシャツが先ほどのヘリ便で到着したとの情報も得ましたので、ぼちぼち次へ向かいます。
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五竜岳から唐松頂上山荘へ ハイキングコースかと思いきや意外と大変
意外と険しい。
冬になると五竜岳の壁面に雪のつかない岩が武田菱の紋様に見えることに由来します。
冬にスキーにくると、天気さえ良ければ誰でも見られますので是非。
これは冬に白馬五竜スキー場に行った時のもの。
この時も天気がよく、遠見尾根の先に武田菱がはっきりと見て取れました。
五竜山荘ではかの有名な「山が好き 酒が好き」Tシャツ。
ずっと品切れだったのが、今朝のヘリ便でやっと到着。なんてタイミング良いのでしょうか。
しかし、何故「山好きと酒好き」はこんなにも一致するのでしょうね笑
晴れてます。
途中やたらとはっきりした踏み跡のある尾根を見かけます。
沢屋さん?にしてもこの沢を下った先には祖母谷方面か黒部ダム方面まで人里もなく、ちょっと不思議。
山頂から1時間ほど(小屋から30分)随分と五竜岳が遠くに見えます。
通称「トトロみち」勝手にそう呼んでます。
久しぶりの身丈より高い木々。
12時30分。相変わらず大快晴。
あの上の方からが「牛首」。牛の背馬の背はよく聞きますが。ここでは首です。
背中ではなく首のように細くアップダウンもある、ということでしょうか。
岩場入り口の看板。牛じゃなくて雷鳥が書いてありました笑
結構高度感のある岩場を通過。
いや、キレットよりここの方が明らかに岩場のレベルが高いぞ、、笑
鎖がかなり低い位置にあるので使わない方が歩きやすいです。
岩は滑りにくかったので、足で立って、手で三点確保しながら慎重に。
あ、モアイだ。
え、モアイですよね。
だれも立ち止まっていなかったのですが、もうわたしにはモアイにしか見えない。
唐松山荘直前が一番の核心部。(唐松側からくると最初が一番険しいということ)
見通せる範囲にすれ違い箇所がないので、コミニュケーションとって順番に通過します。
タイミング悪いと大渋滞ですね。ここは。
先ほどの岩場を越えるとすぐに唐松岳頂上山荘と白馬岳が見えてきます。
13時、唐松岳頂上山荘到着。キレット小屋からゆっくり休憩も込みで約7時間。
この時間なら遠見尾根を下って帰ることもできますが、明日は祖母谷方面へ下山しますので、今日はここで一泊。
さっそく受付ますと、、、
「今日は1畳に3人から4人寝ていただきますねー」
「布団一つに3人から4人です」
え!?
それ、シシャモのように詰め込まれるってことですか、、、、
昔北岳で、一つの布団に2人でもしんどかったのに、、、、 今夜は険しい夜になりそうだ、、
幸いタイミングが良かったのか、割り当ての区画にはまだだれもおらず、早々に端っこを確保しました。これで最悪の事態は免れそう。
気を取直して、お昼ご飯を取りに外へ。
ついでだから唐松岳の山頂でいただきましょう。
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唐松岳頂上山荘でのんびり絶景を堪能。
唐松岳のテント場。ずっと下まで続いています。
小屋から頂上はすぐです。
10分ほどで、唐松岳に到着です。
唐松岳山頂からは白馬岳の眺めがとてもキレイ。
あの雲かかる道を歩いてみたい。次はあの白妙の白馬岳に行くことが決定しました。
ちなみにこの先の道は「不帰の劍(かえらずのキレット)」、日本三大キレットです。
こちらは八峰キレットとは比較にならないほど危険との噂。
何組ものパーティが歩いていらっしゃていました。曰く、「天狗の頭からの下りが怖いので、白馬→唐松は怖い。唐松→白馬の方が歩きやすいよ。」とのこと。
参考にさせていただきます。
山頂でまったりしていたところ、15時頃からガスが湧いてきました。
山荘に戻って、次は夕飯の準備です。
ちなみに唐松岳頂上山荘、
ミネラルウォーター(500ml)=300円
天水(雨水・要煮沸)(500ml)=80円くらい(量り売り)
でした。
とりあえず、料理用に天水を(浄水器で濾過もしました)、扇沢で汲んだ飲料水(3l)もにつきましたので、ミネラルウォーターも1本購入します。
書き忘れていましたが、キレット小屋では天水は無料です。
昨日は夕方雲が晴れましたが、本日は残念ながら夜まで雲は晴れず。
夕陽はお預け。
なお、小屋ではオーナーから明日の道(祖母谷方面)への注意点のレクチャーを受けられます。
エスケープルートも山小屋もないマイナールート。こういう情報は大変助かります。
そのあと、外でしばらく呑んでいましたが、流石に陽が落ちると寒くなり、小屋の中へ。
一体どんな惨状を呈しているのかと怖くて仕方ありませんでしたが、
幸い、一つの布団に2.3人ほどの混雑率でした。
狭いに変わりはありませんが、まあなんとか休める広さ。ほっとします。
(昨日のキレット小屋と比べると4分の1以下ですが、、、、)
戦果としては、
人が多いせいか暑く息苦しく、爆音のイビキが鳴り響き。
それでも3時間ほどは眠れたので強くなったなぁと笑
-
今シーズン最高のご来光へ
午前4時30分。ご来光登山勢が動き始めたのをきっかけに激混みの山小屋を脱出。
テント場の灯りがキレイ。
日の出が見える山荘裏の斜面にみな登ります。かっこいい。
朝陽をまつ人々。薄明かりと影になる人がキレイです。
「春はあけぼの やうやう白くなりゆく 山際」
と言いますが、秋に山からみる朝もとても良いのですよ、清少納言氏。
太陽が昇ってきます。
五竜岳が赤く染まります。
唐松岳もこのとおり。
本日も剱岳大先生のモルゲンロート
そして、
来ました!!
雲海もとてもキレイ。最高の日の出。
ガス男と名高き私なのですが、故に朝、低いガスが出てくれるので雲海運だけは自信があります。
今年もこんな大雲海の日の出を拝めて、ありがたいなぁ。
滑落せずにここまで歩いてこられて良かった。
さあ、ここからは八方尾根を白馬に降りるのが普通。
しかし、歩いて富山県に行くのがここ3年間のマイブーム。
トロッコ列車の終着駅・欅平駅まで、8時間。標高差2100m。の冒険的登山。
超マイナールート故の達成感・自己満足感を味わいに、祖母谷方面への下り道。
天空の稜線歩きはここまでですが、
次回、玄人好みの下山道。大自然の下山道編、また読んでいいただければ幸いです。
本日も読んでいただきありがとうございました。
【後立山連峰縦走】扇沢から鹿島槍ヶ岳・五竜岳を経て祖母谷・欅平へ①
ある人曰く、山登りをする人間にはどうしてもたどり着けない山がある、と。
これは技術的に、ということではなく、行こうとすると台風が来たり、体調を崩したり、車が壊れたり。片想い的要因によるもの。
3年前に剱岳登頂中、前剱の門から見た鹿島槍ヶ岳が忘れられず(後日)、それから毎年バスを予約するのですが、悉く悪天候に阻まれ。バス会社に支払ったキャンセル代で何度山に行けることか。
友人には「俺、次の休み、鹿島槍ヶ岳に行くんだ」がフラグにしか聞こえなくなった今日この頃。
今年もすでに7月にトライ、雨で行けず、今年もダメか、、、と諦めていたところ、9月12日のバスに空きが。
「神は言っている、山に登れと」
ということで慌てて予約。それから慌てて有給申請←
天気予報は、少なくとも台風は来ない、初日は微妙だが三連休は快晴だ!
ということで、ついに、念願の鹿島槍ヶ岳にトライしてきました。
結果は、、、結論だけ、、、
大勝利!
3回に分けてお伝えします。
今回の旅の始まりは新宿駅から。
連休前の平日にも関わらず満席です。
バスを待つ人はヘルメット持参、縦走用の大型ザックと、本気度高めの人が目立ちます。
いざ扇沢へ。
このバスには剱岳に行った時にも乗ったことがあるのですが、ただの4列シートで所要時間6時間と少し体に堪える仕様です。
朝の5時30分。深夜バスあるあるの細切れの睡眠をとりながら扇沢駅へ到着。
この時期はアルペンルートの始発が7時30分ということで、立山方面へ向かう方は2時間ほどの待ち時間があります。
この扇沢では「破砕帯の水」ということで、後立山を貫くトンネルの途中から湧く「後立山の天然水」が汲み放題。
今回の行程は途中水場がないため、ここでしっかり水を補給します。
(今回は最終日まで水場がなかったため、本当に水には苦労しました。)
扇沢から大町方面へ10分ほど車道を歩きます。
この鉄橋を渡ると
すぐ左手に柏原新道の登山口があります。
橋の手前に駐車場がありますが、ここは朝6時時点でほぼ満車でした。
登山口脇にある登山道標識を兼ねた木。まさかの蜂の巣注意でした。
しかも登山届けポストのすぐ横。
そんなわけで、ここから2泊3日の後立山の旅が始まります。
登山口の標高が1350m。今日は鹿島槍ヶ岳2890mを越えてキレット小屋まで。標高差1500m! 体力的には今日が正念場。
-
柏原新道から種池山荘へ 標高差1300m 快適な登りへ
登山口入ってすぐ右手のガケ崩れポイント。柏原新道は本当に手入れが行き届いていて、要所要所このような注意書きの看板が整備されています。
登り始めはこのような穏やかな石畳のみち。とても歩きやすいです。
個人的には山登りは最初の1時間が勝負だと思っています。
最初に意識してやり過ぎと思うくらいゆっくり歩いて体を作ると、その日1日調子よく登れます。逆にここで失敗すると地獄、、、
どうしても街歩きのテンポが体に染み付いているので、これを山に適したテンポにチューニング。駅の階段登るようなテンポでは10分とて持ちません。
最初穏やかな柏原新道は体を作る意味でとてもありがたい。
登り始めて1時間くらい。この崖注意の看板を超えると
この日始めて開けた場所に出ます。左手には扇沢の駅や赤沢岳がよく見えます。
崖の上足元注意との注意にも関わらず、皆この日始めての展望を写真に収めていました。
さらに30分ほど登ると「駅見岬」
駅見岬からは
なるほど、扇沢駅がよく見えます。
朝立ち込めていたガスも晴れて山並みもよく見えます。
歩きやすい。本当に、歩きやすい。そういえば柏原新道では足を大きく上げた記憶がない。
この「包優岬」、「種池山荘」が見えるのと木々が少し低くなるからなのか、不思議な名前です。
後ろを歩いていた方が「しゅうまいみたいだな!」と仰っていたのが忘れられない、、、
道中、名前のとおり、アザミが群生した沢があります。
柏原新道はまるで危険箇所が無いのですが、種池山荘手前のここが唯一の危険箇所。崩れがちで道が斜めになっており足場も狭い。
てか、木が組んでなかったとしたら足場がありません、、、
振り返ってみる。
おお、大雨の日なんて絶対通りたくない、、、
この鉄砲坂を登りきると種池山荘です。
9時ちょうど。種池山荘に到着です。
ピザが有名な種池山荘。残念ながらピザは10時からです。とのこと。
振り返ってみると
みごとな雲海。
季節は秋。雲海の先の空はとても透きとおっています。
-
種池山荘から鹿島槍ヶ岳へ 大絶景の縦走路へ
さあ、ここからは1300mを登りきったご褒美の時間です。
種池山荘から少し歩いて振り返ってみると。
あれは、剱岳大先生じゃないですか!
左から立山、真砂岳、別山、そして剱岳。手前には種池山荘のオレンジ色の屋根と、ハイマツの林。
なんという絶景でしょうか。
この向きから剱岳をみるのは初めてですが、それでも一目でそれと分かる山容。この後後立山の山並みを北上していくにつれ色んな表情を見せてくれる剱岳にこうご期待。
鹿島槍ヶ岳の双耳峰もはっきりと。
登りなら半袖でちょうど良い気温ですが一部の葉は色が変わっていました。
右手には冷池山荘が。
あそこまでならすぐ行けるなぁ、と思いましたが、これが結構思い違いで、大変でした。
まだチングルマも穂となって頑張っていました。
振り返ってパシャりと。
ちょっと標高を上げただけなのに、立山がはっきりと見えてきました。
種池山荘から1時間弱で爺ヶ岳。今回は通過点なので、南峰に少し立ち寄るだけに。
それでもここからの景色は360度の絶景でした。
遠くには槍も見えます。
さあ、冷池山荘方面へ。
左を見れば、自然と顔がほころびます。
剱岳大先生、、、、まじかっけぇ
意外と冷池山荘は遠かった。特にこの登り返し。見ての通り山荘の手前が結構急です。しかも爺ヶ岳からここまでもかなり標高を落としています。
そんなわけで冷池山荘。
玄関だけお邪魔しましたがとても綺麗な山小屋でした。この時点で11時。
「今日キレット小屋まで行くんですよー」と言ったら、訝しんだ目で時計と私を見比べる山小屋のお兄さん。
分かってますって、ペース上げ目に登っても結構ギリギリの時間ですね。頑張ります。
(コースタイム通りでは絶対15時には間に合わないコースなのです。)
振り返って冷池山荘。思いの外すごいところに建っています。
ちなみに冷池山荘のテント場はこのもう少し上。トイレ行ったりにも不便しそうですが、その代わり。
みよ、このロケーション。
剱・立山を見ながらのテント泊だなんて、最高かよ。
次はテントもってここにテント泊に来たいものです。夕日に朝日。考えただけでぞくぞくします。11時なのでまだテントはまばら。
引き続きずっと左手に剱・立山の大絶景をみながらの稜線歩きです。
あれは布引山かな?
鹿島槍ヶ岳まではいくつか地形図に現れないピークも通過しますが、名前が付いているのは布引山だけ。
振り返れば槍ヶ岳の穂先も。
山頂手前の最後のピーク。ビクトリーロードだね。これは。
山頂手前にはこんな赤くそまった葉もみえました。
先ほどの小ピークを振り返って。雲海も出てきていい感じ。
そして、
12時44分。2889mの鹿島槍ヶ岳の山頂に到着!
みよ、この広がる視界の広さを。雲が沸き立ってきて景色に色を添えます。
念願の鹿島槍ヶ岳についに到着しました。3年分の大絶景。
思い通りにならないからこそ、登ることができた感動は何倍にも増して感じられるのですね。
反対側には明日から歩く白馬方面の山並み。先には白馬岳の白い姿がはっきりと見えています。
こちらは南峰から。
時間がないからカットしようかと思いましたが、やはり双耳峰。両方行かなければ登ったことにはなるまい。
行って良かった。
また南峰からみる北峰がまたカッコいいのです。この尖り方こそ鹿島槍ヶ岳。
さあ、キレット小屋まで向かいます。
ここから300mほど、急峻な道を下ります。
日本三大キレットの一つ八峰キレットへ。まだまだ気が抜けません。
高度を下げると直ぐにガスに巻かれて視界はこのとおり。
(先程までの絶景が見えたままだと浮き足立つからこれで良かったのかも)
ぐっと降って、キレット小屋手前から、かの有名な
キレット入り口のはしごの橋。
岩の切れ間を通過し、
ハシゴを登り、
え、道ないやん!という細い足場を通過し。
(滑りにく岩であるのと凸凹がはっきりしているので足をかける場所も多く、見た目ほど怖くはない)
14時30分。ついにキレット小屋に到着です。
両側がっつり切れ落ちていて、ほんと、よくこんなところに建てたなぁ。
こんなとんでもないところの小屋に泊まる、というのも今回の山行の目的の一つです。
しばらくするとガスも晴れてきて再び青空が!
剱岳もよく見えます。ここからみるとギザギザ感が際立って感じられます。
さあ、日が沈み始めました。ガスも雲もすべて晴れて、ポジションも完璧。
剱岳の肩に沈む夕日。これ以上の絶景があろうか。
影になる剱岳。逆にその岩の造形が際立ちます。
ありがたいなぁ。
前日の夜行バスと登りの疲れもあって、この日は19時くらいには爆睡。
空いていましたので、一人で布団2つ分のスペースを悠々使えてとても快適でした。
しかも、この日は中秋の名月。月がとてもきれい。
月が明るいので星空はまるで見えませんが
この組み合わせ。この天気。もう2度とみることはできないでしょう。
(明るすぎて写真だと雰囲気でない笑)
月が剱岳の肩に沈んでいきます。
ちょうど、剱岳の剣山荘から稜線にあがる付近に沈みました。剱岳にアプローチする人のヘッドライトらしき明りが見えます。
ちなみにキレット小屋の中はこんな感じ。天井も高く開放的で、この立地でこんなに快適でいいのかしら、というくらいの快適さ。
しかも、窓からは
モルゲンローテ!!!
剱岳が赤く染まっている!!
朝日が見えない立地だと油断した!!慌てて外へ
朝から魅せてくれるね。
陽のあたっているところと、そうでないところのバランスがまた絶妙なのです。
もう、このあと八峰キレットで滑落死しても思い残すことはない。
(もちろん安全第一でいきますよ。)
さあ、キレット小屋を後にして、2日目、五竜岳を目指しましょう。
この後も大絶景の山行が続きます。
今日は一旦ここまで。本日も読んでいただいてありがとうございました。