試練と憧れ

絶景の記憶。忘れないように。 これまでの登山の記録をあれこれと。 https://www.instagram.com/mahal2999/

【四国・石鎚山】(令和元年5月1日)

そんなわけで、最初にご紹介するのは、令和初日という記念すべき日に登った四国は愛媛県、「石鎚山

 

せっかくの長い休みだし、ちょっとは無茶をしよう。

と中国・四国地方完全制覇の旅へ出てまいりました。

 

本当はこの2日前に移動して、この前日(平成最終日)には鳥取の大山に登っているのですが、それはまた後日。

 

深田久弥曰く、「山骨稜々として厳父的」な、この西日本最高峰。古くから開けた霊山、石鎚山。令和最初の山行はさていかに。

 

 

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今回のコースは山の北側から、石鎚山ロープウェイを登る「表参道コース」

石鎚山にはこの他に、南側から登る「裏参道面河コース」(深田久弥が登ったのはこっち)、西側の堂が森から登るコース(深田久弥が降ったのはこっち)、の主に3つのコース。

 

今回は前日が広島県福山市に宿をとっていたため、アクセスしやすいこのコースから登ることにしました。

 

決して、ロープウェイ使って楽しようということではありません。

 

ロープウェイのすぐそばに駐車場があります。

着いたのが10時くらいになってしまい、令和初日だし、GWだし、混んでるんだろうなぁ、と思いましたが、意外と駐車場はガラガラでした。(こんな山奥なのに、800台くらい停めれる駐車場があるんだからそりゃそうか。

※無料で停めれるスペースも少しばかりありましたが、そこは満杯。

 

駐車場の目の前がもうロープウェイです。

 

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ロープウェイは20分刻みですが、混み合う時間は10分間隔で臨時便が出ているようです。ロープウェイで一気に700mほど標高を稼ぎます。

 

あまりの標高差ゆえか、ロープウェイの中では耳がツンとなった時の対処法がアナウンスされていました。

 

決して、ロープウェイ使って楽しようということではありません。

 

山頂駅から20分ほど、体慣らしをしながら登ると石鎚神社中宮成就社が見えてきます。

 

令和初日ということで、記念の紅白餅が貰えました。ありがたい。

 

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神社の横を抜け、ここからいよいよ本格的な登山道です。

 

ちなみに、神社からしばらく、標高にして100mほど、降ります。

道を間違えたかと不安になるくらいずっと降ります。

 

八丁坂というらしいです。

 

登山において、最初が降りというのは一番嫌なパターンですよね。鳩待峠からの尾瀬ヶ原とかまさにそう。

 

あーこれまた登るのか、とか思いながらこんな雰囲気の良い道を歩いていきます。

 

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そんなこんな、神社から40分ほど歩いていると出てくるのが

 

はい、えげつないとの噂の「試しの鎖」

 

下から見上げるとこんな感じ。けど、これで半分も見えてません。

 

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足をかけるポイントが少ない上に、雨で滑りやすい岩肌。

三点支持を言い聞かせて慎重に登ります。

 

この試しの鎖、あまりにも長くて途中から集中力が切れないよう、「右手よし!」とか呼称しながら心を繋いでのぼりました。

 

あとで調べたら長さにして大体70mくらいあるんだって。殆ど垂直みたいな鎖場なので、高さも一体どれだけ、、、

 

そんな長い鎖場を超えると、ご褒美の厳かな絶景。

 

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雰囲気ありますな。四国は。

もう、もののけ姫の世界。どこかにおっことぬし様がいらっしゃるのかもしれない。

 

ちなみに、この鎖場、このあと、降ります。

 

そう、降ります。

 

「この先の鎖に挑戦するに足る男か、我が見極めてくれるわ!」


という試練をクリアするとメインフロアの扉の鍵が解除される、ゼルダの伝説的イベントなのです。

 

ちなみに降りはもっと急で、殆ど垂直降下。

もう、細かいことは考えず、鎖に全体重を預けて懸垂降下の要領で降りました。

 

※迂回路はただの登山道です。とっても歩きやすくこの区間通過するのに5分とかかりません。鎖を超えると、待ち時間と頂上での回復時間も必要になるので、ざっと30分くらい通過に見ておきたい。

 

このあといよいよ1の鎖が登場するのですが、試しの鎖と比べるとあまりにイージー

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鎖を超えて少し歩くと、とつぜんめちゃくちゃ綺麗な建物。

 

トイレでした。こんなところにびっくりです。

 

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トイレの直後からはいよいよ、2の鎖、3の鎖。

 

中ボス、ラスボス戦の連戦です。

 

 

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余裕をかなり削られていたので、どれがどの鎖だったかすでに曖昧と言う、、、 

 

個人的には剱岳の鎖場より余裕がなかったです。

一つ一つがカニのたてばいに匹敵する鎖で。それが波状攻撃なんだもん、、、、

 

そんなこんなで3の鎖を乗り越えればそこが山頂です。

 

この山は修験者の修行の場として栄え、この鎖はまさに修行のそれ。

 

心は全て山の厳しさと向き合い。雑念がどんどんそぎ落ちていく。

 

そして乗り越えた先の山頂。

 

「ありがたいなぁ」と悟りの境地に至ってしまう、そんな久々に全力を出し切った登りでした。

 

そんなわけで、山頂は流石賑わっていました。

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しかし、本当の山頂(西日本最高峰)はここから少し先の「天狗岳」と言われるところ。

 

見ての通り、少々ありえない道を歩いた先。左側はがっつり切れ落ちてます。

 

一番足場がよいのはナイフの刃の部分ですが、そんな命懸けの平均台なんて誰が、やるか!

 

と言うことで、みんなではうように進んでいきます。

 

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天狗岳山頂からは、綺麗な雲海でしたが、人が詰まっているので早々に退散。

 

山頂に戻ってお昼ご飯。予定より1時間遅れているので少しまきめですが、

遠征では必ずご当地のスイーツを持っていくことにしているので、本日のスイーツ。

 

もみじ饅頭じゃけぇ。

 

ご当地ちゃうやん、とか、広島県民を愚弄するな、とか、許してください。

 

前日福山泊だったので、大好きなもみじ饅頭を買ってきました。

 

やはり美味い。

 

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山頂の石鎚神社では御朱印ももらえます。

 

「限定で写真入りの御朱印あるよ。」

「うむ、それをもらおうか」

 

御朱印集めはご無沙汰でしたが、こんな記念の日にこんないい場所で買わないなんてもったいない。

 

後ほど中宮成就社で御朱印帳も新しくしました。浮かれてるなぁ。

 

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帰りも鎖を行くべきかもしれませんが、疲労困憊、時間もないので、迂回路から。

 

迂回路はまるでマンションの非常階段。めちゃくちゃ綺麗に整備されてました笑

 

迂回路通れば誰でも楽々アクセスできますな。

 

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そんなわけで、3時間かけた登りでしたが、降りは1時間ちょっとでサクサク下山。

 

帰りに石鎚山SAにある温泉で汗を流して本日のお宿、松山へと下山したのでした。

どうでも良いですが、後日行った道後温泉もしかり、愛媛の温泉にはシャンプー等の備え付けがないのがデフォルトなのですかね。

基本持参派なので問題なしでしたが、少々びっくりしました。

 

締めは松山ではそこそこ幅を利かしていると言う「助格」さんで石鎚の名を冠した日本酒をいただき、お後もよろしく、最高の令和元旦登山を締めくくりました。

 

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色々な山に登って来ましたが、雲海広がる雰囲気と怒涛の鎖場による波状攻撃もありつつ、登っていて興奮してくるのではなく、心が穏やかになっていく、そんな経験をした山は初めてでした。

 

 

いやー、山って本当にありがたい。

 

以上

 

山情報

・山名:石鎚山百名山

・所要時間(標準タイム):4時間7分(5時間15分)

・天候:曇り